親が「なんでできなの?」から出発するとダメです。  早い結果を求めて怒ってしまってはいけません。

ひとりごと
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「小学校の勉強は簡単」と言われているけれど…

全部マスターして進級する方が少数派

 私は約35年、小学校教師をしていますが、いくつもの学校で1年生から6年生まで、あらゆる学年を受け持ちました。

 1000人近くの担任をしましたが、その学年の授業内容をすべて習得できず、次の学年へ上がる子どもはたくさんいます。


 というより、全部をマスターして進級する子の方が少数派かもしれません。


 4年生なのに九九があやふや。


 5年生なのに2年生の漢字が書けない…。



 勉強につまずいている子は、たいていずっと前の学年からつまずいているのです。


 小学校の勉強でわからないところがたくさんあるまま、中学校に上がることも多々あります。



 義務教育の勉強は簡単…。私はそうは思いません。


 たしかに、大人から見たら、

 1+2=3
 9×7=63

 は簡単で当たり前かもしれませんが、ゼロから子どもが習得していくのは決して簡単なことではないのです。

今は進度が早くなっている

 子どもが学校の勉強を習得しきれない理由には、現在の教育事情もあります。

 ゆとり教育の反動もあって、今は授業の進度が速く、駆け足で進みます。


 たとえば九九にしても、学ぶ日数がかつてより短縮されています。
 親世代が子どもの頃は、授業で何度も九九を暗唱し、いやでも覚えさせられたものでしたが、今は多くの場合、さっと教えて「あとは家で覚えてください」となります。



 分数は昔は3年生から習いましたが、今は2年生から習います。
 同様に時計の読み方も、昔は2年生で習っていたのが、現在は1年生で習います。
 それだけ1年間に学ぶ量が増えます。


 


 子どもは大人が思うよりも吸収力が高いため、早くから分数や時計にふれさせるのはいいことなのですが、それについていけない子も多いのです。



 また、昭和に時代と違い、今は土曜日授業は月1回程度。
 でも、コマ数は変わらないので、必然的に授業が駆け足になります。


 そのほかに、英語や今後はプログラミングなども入ってくるわけですから、たくさんのことを速いスピードで習って、消化しきれない子が出てくるのは当然と言えます。

圧倒的に「くり返し」が足りない

カリキュラムの消化でせいいっぱい

 多くの学校では組織で動いている都合上、いち教師の裁量で授業を組むことが難しいのが現実です。

 復習が大切だとわかっている教師でも、次々に新しいことを教えなければならない今の過密カリキュラムでは、復習する時間を確保するのは難しいでしょう。



 1年間で終わらせるべき単元が多くなり、教師も大変です。
 「とりあえず終わらせなければ」というプレッシャーが大きく、子ども一人一人が理解しているかを確かめるところまで、なかなか手が回りません。

「できない」ことに焦らない

 親が「なんでできなの?」から出発するとダメです。

 早い結果を求めて怒ってしまってはいけません。


 ひとくくりに「できない」と言っても理由はさまざまです。
 集中力がないのか、答えは合っているのに式が間違っているのか、問題を見間違うクセがあるのか。
 まずは子どもに関わらないと、原因は見えてきません。



 気長に待つことです。
 かといって、「この子、できないんですよね」で終わって、ほったらかしにするのは「待つ」とは違います。いつか必ずできると信じつつ、「どうしたらできるかな」という工夫が必要なのです。

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